クマの沢②!

 ヌビナイ右股北面の上部はガレが続く。小降りだが、空の雨雲は分厚くいつ本降りとなってもおかしくはない。ただ、下るにしたがい風は弱まり、天候は小康状態。今ならまだ焚き火ができるかもしれないと思うと自然と足が早まり、気づけば後ろにいるのはT田だけ。後続を待っていると時間がもったいないし、上二股まで問題となる箇所はないので先行することにした。

 1時間半で上二股に到着。さすがに疲れたが、その甲斐あって雨はほとんど降ってない。T田の「雨は夕方6時から。」との言葉を信じ、急いで流木を集めてタープの下で焚き火をする。残り3人も17時前には上二股に辿り着いた。結局19時まで雨は降らなかったが、その後は断続的に強い雨が降り続いた。特に日付が替わったあたりからは雷を伴う暴風雨、寝床により差があり、快適な場所を確保したK村さんは熟睡できたようだが、一部メンバーにはちょっと辛いそして長い夜となった。さすがにこの夜はK股君のケーナも出番なし。


○8月15日
5:20 C2 9:15 507m下 12:10 380m二股 12:30 ヌビナイ右岸林道終点

 雨の降り方から停滞も頭に入れていたのだが、夜が明けて沢を確認すると、かなり増水しているがなんとか下れる水量に見える。雨は時折弱くなるものの、断続的に降り続いている。さらなる増水で下降不能となる前にゴルジュ帯を脱出しようと、朝飯を食べずに上二股を後にする。

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 白濁したヌビナイは先々週も遡行したが、今回はそれよりもさらに水量が多い。渡渉での失敗は許されない。一番小柄なT田には少々キビシい場面もあったがそこは皆でサポート。できればクマの沢の余韻に浸りつつ、釜に飛び込みながら下りたかったのだが、もちろんそんな飛び込む状況では、ない。渡渉地点を慎重に見極め、薄い踏み跡や巻き道を辿りながらの下りはやはり時間がかかる。

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 それでもゴルジュ帯も中盤を過ぎたあたりから雨も小降りとなってきた、前回遡行時にザイルを付けてジャンプした箇所は今回も同様の場所でジャンプ。ここは流されたら致命的ともなりかねないので緊張のワンジャンプだった。


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 ゴルジュ帯を抜けて少し行ったところで、休憩。空は青空もチラホラ見えるほどに回復してきた。せっかく時間もあるので、ここで朝飯タイム。素早くK股君が焚き火を熾す。湿っている流木でも焚き火を熾す技術はさすが。沢の経験が豊富な彼の存在は今回パーティーに安心感を与えてくれた。またできるならどこかの沢をともに歩きたい。

 遅れた朝飯はパスタ。水が十分確保できる沢ならではのメニュー。個人的には蕎麦もパスタも茹で時間の短いものを選んだほうが良いと思う。今回のは3分パスタなのであっという間。切干大根と味噌肉入りのミートパスタはそれなりの好評を頂いた(と思っている。)

 ゆっくり休んだ後は重い腰を上げて長い河原を再びテクテク。ここでも巻き道をうまくつなげれたので予想よりも早くクマの沢との出合に到着。

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 クマの沢出合に辿り着き、クマの沢を見ながら煙草に火をつけるkameさん。きっと昨日の遡行を思い出しているのだろう。昨夜は「今回は僕の集大成!」「もうキビシイ沢はいいわ。」と酔っぱらいながら繰り返していたが、それは充実した遡行ができた証拠。 


 ここからクマの沢を少し上流に歩いてから林道に出て車止めへ到着。ピリカの頂上に着いた時と同様に握手を交わし、フィナーレとなった。楽しい3日間、メンバーに感謝!
 
 ただ満足したかと言われると「もちろん。」とはっきりは言えない。クマの沢はさすがに「!!!」だけはあるが、思っていたよりも核心部は短かった。もちろん一つ一つの滝は手強いし、今まで遡行した沢の中でも確実に難しい沢の一つに入る。でも下山してちょっと物足りなさを感じた。それはクマの沢自体にではなく、今回の日程からかもしれない。沢に入って3日目というのはちょうど体が沢になじんでくる頃、もう2、3日長く沢に入っていればさらなる充実感があったに違いない。1週間くらい沢には入れればどんなに幸せなんだろうか。今はその幸せを想像するしかない・・・。

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