念願の中ノ岳沢!!後編

○9月2日
5:40 C2 7:50 稜線 8:22 中ノ岳 11:50 850m二股 14:15 C3:565m二股

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 朝起きると体はバキバキ。3日目にして体が悲鳴を上げている。情けないが、今日の行程も長い。中の岳にあがり、さらにルートルオマップ川川を下降するロングルートなのだ。
 テン場からすぐにゴルジュが始まる。しかし、これまでのような圧迫感はない。おまけに今日もぶっちぎりの晴天だ。神様に感謝だ。

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 20分もしないで850m二股。増水したらひとたまりもないだろうが、テン場にはなる。ただ昨日泊まった820mの方が快適だろう。

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 しばらくは高い側壁に囲まれたゴルジュが続くが、やはりここも水量が少ないので、たとえ漬かっても腰あたりまででずいぶん楽。。

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 950m付近からゴルジュ地形はぱっと終わり谷がひらけてくる。ここからは断続的に大きな滝が出てくるが、ホールドはしっかりしてるのががほとんどで快適登っていける。

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 1080m二股。左の20m滝がルート。この上にも2,3滝がある。高度感が出てくるが、そんなに難しくない。

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 いよいよ源頭に近づく。振り返ると日高の稜線が!しかし、疲れから足が重く息がすぐ上がる。ここまで来たら気力しかない!「もう少し、もう少し」と呟きつつ、一歩一歩迫ってくる稜線を目指す。

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 藪こぎはさほどではなく、思っていたよりも南側の稜線に出る。稜線上は一応一部不鮮明ながら踏み跡があり、これをヨタヨタと辿り、8時22分、ついに中の岳の頂上に立つ。「やりましたね!」とY形さんと握手を交わす。やや高曇りであるが、慣れ親しんだ日高の山並みが眼前に広がる。ペテガリ、1839、神威、ソエマツ、ここは日高の最深部と言っていいところだろう。先日、トヨニ川に行った時は雨とガスで全く視界がなかったので、日高の山並みをこうして見わたすのはほぼ2年ぶりとなる。思わず「ただいま~!」と叫びたくなる。
 さて少々休憩してから、後半戦となるルートルオマップ川の下降に入る。

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 頂上から少し東の尾根を進んでから沢に降りたが薮がひどい。ここは頂上からダイレクトに沢を目指したほうがよかったかもしれない。北東面直登沢、通称ルートルオマップ川は12年前まだ学生だった頃、単独で遡行したことがある沢だ。その時以来の再訪、当時は夢中で登ったのであまり渓相は覚えていない。源頭付近はかなり急斜面。慎重にクライムダウンを繰り返す。

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 水流が出てくると、早くも50mダブルの懸垂となる。岩盤状の滝が多く、緊張する。

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                                                          1000m付近には50m大滝が一つ。滝下には雪渓の残骸が広がり、さらに土砂がたまったのか荒涼とした河原がしばらく続く。この河原は頂上からも見えていた。大滝は右岸から急斜面の巻き道でなんとかなる。

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                                                          850m二股あたりは穏やかな河原。天気も再び青空が広がりだし、気持ちも緩みだしそうになる。

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 しかし、少し下ると今度はスラブ状の大滝、ゴルジュが連続する。緩みかけた気持ちは吹っ飛び緊張する高巻き、クライムダウン、懸垂の連続となる。

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                                                          この沢は想像していた以上、記憶していた以上にスケール感のある沢で、大きな釜を持った滝では泳ぎも必要となり、下降前は「!!!はないんじゃないですか!!に*くらいだと思いますよ。」と甘いこと言っていたが、グレード的には充分「!!!」の沢だった。アプローチの長さがあり入渓者は多くないと思うが、かなりオススメの良渓だ。

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 次第に傾斜は落ち着くが相変わらずコンスタントに滝が出てきて飽きることはない。

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650mの屈曲点にはおすすめのテン場がある。少々迷ったが、時間もまだあるし予定地まで行っときたいという気持ちが強く。さらに下降する。

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 さらに滝が2,3あり、鼻をつまむ様なクライムダウンをしていくとポンっと565m出合につく。出合はテン場に適さず、少し下ると河原が出てくる。なぜかこの付近は流木が少なく薪集めに苦労するが、なんとか一晩分の焚き火の量を確保。最後の夜も焚き火で迎えられる。なんとも幸せなことだ。

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青空を仰ぎらなら早くもちょっと早いがウイスキーで祝杯を上げる。五臓六腑に染み入る甘さ。この日の酒は格別に美味かった。ちなみに夕食は乾燥野菜たっぷりのシチュー。

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○9月3日
5:50 C3 7:15 430m三股 9:40 林道跡 12:30 車止め

 なんと四日目も、晴れた!!朝から雲一つない快晴だ!Y形さんも「こんなに晴れていいのかね~」と驚くというか、呆れるというか。
 さてこの日は核心は430m三股までの間。それ以降は河原である。430mまでは今まで3回ほど通過しているのだが、毎度のごとく記憶が曖昧。どうなの?と聞かれて「ゴルジュはありますけど、2,3回泳ぐ程度ですよ~」とY形さんには答えたが・・・・。

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 ・・・・それは全くのウソでした。河原もあるが、ゴルジュがこれでもかと出てきて、泳ぎの連続。巻こうと思えば巻けるのかもしれないが、飛び込んで泳いだほうが早い。

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 しかし、晴れているとは言え沢床には日が差し込んで来ない。次第に体力は消耗し、カタカタ震えが止まらなくなる。最終日にもなってこんな試練があるとは思わなかった。

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 あまりに飛び込み泳ぎすぎたからか、距離感が全く狂っていた。テン場を出てから1時間半ほどで見覚えのある場所に着く。あれ?と一瞬目を疑うが、そこは間違いなく430mの三股だった。遡行したときは確か4時間くらいかかったのだが、ためらうことなく飛び込みまくったかいがありなんと1時間半で抜けることができたのだ。これで一気に気が抜けた・・・・。もうぼちぼちと河原を歩くだけだ。

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 三股から5時間以上費やしての下山は疲れきった体には想像以上にしんどかった。しかしこの奥ぶかさこそが日高なのだ。今回歩いてる途中、焚き火のあとなどの人臭さをほとんど感じなかった。今シーズン中の川水系に入ったパーティはおそらく片手程しかいないのではないだろうか。
 北海道に戻ってそのシーズンにこの沢旅を成し終えたことにまずはパートナーのY形さんに感謝したい。やはり日高は最高だ!“北海道に、日高に戻ってこられて良かった!”帰りの長い道で何度も思い呟いた言葉である。

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この記事へのコメント

kame
2014年09月22日 19:49
up待ってました!
記録を読んでみて、いや~やっぱり大変ですな~
しかし北海道に戻るなり、いきなり最初のシーズンで岳の沢とは・・・。
兎にも角にも成功オメデトウ。水量少なくてなんて御謙遜、御謙遜。
ちなみにしばらく沢に一緒に行ってないね。休みが合わないけど機会があれば又ヨロシクです。
oyama
2014年09月23日 23:51
kameさん、ありがとうございます。今年は月末のソエマツ沢で沢も終わりとなりそうです。
来年はまた日高に行きましょう~!
ふ~ちゃん
2014年10月21日 17:13
こんにちは、スコップの件でお世話になったふ~ちゃんです。
中ノ岳ノ沢の水量ですが、決して少ないと言うことはないと思います。
写真を見比べると、我々の時(2008年)と変わらないように見えます。
北稜のKさんパーティは我々の翌日なので、やはり変わらないと思います。
ただ、デブリの位置がだいぶ違って、それによって核心部の状況がかなり違うようです。
我々が流木ですんなり通過したところで苦労していたり、逆に我々が悪戦苦闘したところを流木で通過したところも見受けられます。
我々の時は「山谷」のグラビアの位置がいくら探しても見つからず、頭をひねっていたのですが、 oyama さんの写真を見て、ようやく我々の時はデブリによって数m埋まって居たと言うことがわかりました。
https://picasaweb.google.com/lh/photo/sTj0hoJDZmcEV517xm_jVNMTjNZETYmyPJy0liipFm0?feat=directlink
http://www.whochan.com/diary.cgi/2321
oyama
2014年10月29日 22:23
こんにちは、ふ~ちゃんさん。
コメントありがとうございます。そうですか、水量は変わらないですか~。流木、デブリ、雪渓によってだいぶ変わりますよね。来シーズンはルベツネ北面遡行してキムクシュ下降を考えてます。ふ~ちゃんさんは単独でキムクシュ行ったんですね~。スゴイですね!驚きです。

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