日高キチガイ〜沢と焚火と雪稜を求めて〜

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zoom RSS 利尻山〜長浜ダイレクト〜

<<   作成日時 : 2017/05/29 08:18  

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 2年ぶりの冬の利尻。今シーズンのメインである。目指すは長浜ダイレクト。プレ山行をこなし、体力を少しは戻したつもりだが、若干の不安残る。パートナーは頼もしいnisi君。彼とは利尻は初だが、沢も上ホロも何度も一緒に通っているので心配はない。数日前から天気予報とにらめっこ。天気は、悪くない、はず。だった・・・。


2017年4月4日〜4月7日  
メンバー N田、oyama

4月3日
前日からわざわざ札幌入りしてくれたパートナーと共に、稚内へ車を走らす。日本海側を進むも霧のかかった海で利尻は見えず。札幌を7時に出ると11時には余裕を持って稚内に到着。前回の利尻行でもお世話になった駅前の喫茶店「デノーズ」でランチ!そしていよいよ14時のフェリーで利尻へ!

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 この日は行動はせずに鴛泊のフェリーターミナルから少し離れた民宿「雪国」に泊。翌日からの本番へ備え、鋭気を養う。

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 稚内までの道中も、フェリーからもガスやら霧に覆われて見えなかった利尻であるが、宿に入ってゆっくりしているとなんだか晴れてきた。時間もあるのでフェリーターミナル裏(?)のペシ岬まで散歩。メッチャきれいな利尻と夕日に感激。モチベーションも上がる。しかし、ここまで晴れると明日からの明日から天気が若干心配になる・・・。今日登っておけば良かった、かも。
 
4月4日
7:15 旅館雪国 8:15 栞橋 11:17 長浜尾根取り付き 13:50 C1:co1270m

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 健康的な朝ごはんを頂き、朝一の路線バスに宿の前から乗る。若干時間はかかるがタクシーよりは安い。車窓からは朝日を浴びた利尻をいろいろな角度から見ることができてそれもなかなか良い。一時間ほどで長浜の栞橋で降ろしてもらう。ようやくここからスタートである。

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 堰堤をいくつか越えるとすぐに沢筋は雪に覆われる。スキーなのかスノーモービルなのかトレースがいくつもあるが、ツボ足では埋まるのでワカンに履き替える。今回はスノーシューではなくて軽さと大きさの点からワカンにしたが、この選択は正解だった。

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 1時間30分ほど西大空沢を詰めて、co 500mくらいから左手の尾根に取り付くとさほど急斜面に苦労することなく長浜尾根上に出た。歩き始めは曇っていたが次第にガスも晴れてきた。目の前には迫力ある仙法志稜から頂上稜線がドデーンと余りにも格好良く、

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ビバ!利尻!最高の景色!でもザック、重い!!

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 風もほとんどなく、快調快適に高度を上げる。このまま一気に行けてしまうのではないかと思ってしまう。
こういう天気の日で、条件が良ければ荷物を極端に切り詰め軽くして一気にダイレクトリッジを登攀して長官小屋まで抜けてしまうのもタクティクスとしてありだと思う。最後はヘッドランプになるかもしれないが・・。


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午後2時前に1270mのジャンクションピークに到着。絶好のロケーションで、この先は快適なテン場もなさそうなのでここを初日の宿とした。

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 素晴らしい雲海と夕日。初日は文句なく過去最高の天気の利尻であった。僕ら二人はこの時点でやや余裕、楽勝なんじゃないかモードに入っていた事は否定できない。

○4月5日
5:00 C1 8:00 ダイレクトリッジ1ピッチ目 12:00 頂上 17:30 C2

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 前日から打って変わって天気が悪い。出発時はそうでもなかったが三眺山の手前あたりから視界が悪化。昨日までの楽勝モードが緊張モードへと変わる。三眺山の少し先でちょっとやらしい下りがあり、視界があればクライムダウンで通過できるが、視界が悪くルートが判然としないので安全策でロープを出した。

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 濃いガスに悩まされながら細いリッジを進む。視界がないので余計に時間がかかったと思う。なんとかダイレクトリッジに近づくとこの時だけ視界が開ける。それはたまたまのガスの切れ目であったが、このおかげで目指すルートがわかった。しかし、頂上稜線は強烈な爆風を予感させる雪煙が流れている。頭に不安が大きくよぎるが、ここまで来たら弱気にならず行くしかない。

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 ダイレクトリッジは全4ピッチ。いずれもピンはとりづらいが、イボハーケンが有効。カムも少し使ったかもしれない。1ピッチ目をリード。凹角を登りバンドをはさみさらに草付き乗っこしで40m。この1ピッチ目後半から再び風雪に巻かれる。
2ピッチ目から完全にバットコンディションとなる。nisi君がリードした2ピッチ目はひどい除雪が必要で、これが一番辛そだった。岩塔上に出て終了。50mギリギリ。
3Pリード。細い稜を抜けてピナクルをあがるが、2手、3手が悪い。風も強い。なんとかイボハーケンをぶち込み抜ける。40m
4P nisi君がそのまま雪稜を進むと北稜に出て登攀終了。20m

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ダイレクトリッジに思ったよりも時間がかかったがなんとかを抜けた。急いでロープをしまい頂上へ。雪で埋まった祠を掘り出し、笑顔の頂上写真。この時は思ったほどの風ではなく、ちょうど時計を見ると正午を回ったくらいで時間的にも余裕を持って長官小屋に辿り着けると思った・・・・・。

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 ところが、真の核心部はここからだった。下り出すと次第に風が強まってくる。視界も悪くなる一方。GPSを取り出し、ルートを確認するがそれでも何度かルートを誤ってしまうほど。そして殺気をすら帯びた強風は1500mを過ぎると、もはやまともに立っていられないほどとなった。台風姿勢もままならず、重いザックを背負っているために四つん這いになっても吹っ飛ばされた。かつて経験したことがない爆風。N田くんとも距離ができて声も通らず意思疎通ができない。長官小屋を通り過ぎってしまったことに気づいたが戻ることもできないほど。そして気温が高いせいか体に着く雪はどんどん溶けてウエアや靴、グローブがびしょびしょに濡れ始めた。とにかく少しでも高度を下げようと、必死に歩く。飛ばされながらも転がるように下がる。アイゼンが団子になるのがさらに歩きづらくなる。
 稜線上はまともに歩けず、なんとか長官山から北稜の東側に広がる沢筋に下る。このあたりから幸運にも視界が回復し出し、樹林が出てきたあたりでようやく風が少し弱まってきた。振り返ると、上部はまだ強烈な雪煙に包まれている。ここも風が強いが、ここまで下れば大丈夫と実感できた。
 350m付近でテントを張り中に転がり込む。全身びしょ濡れだが、安全地帯まで下れたことに心底ホッとした。さすがに一時はどうなるかと思った・・・。あまりの疲労度に食欲がなかなかわかず・・・。利尻、その厳しさをまさに全身で感じた一日であった。


○4月6日
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 昨日の強風も日の出までには収まり、山は静けさを取り戻していた。北稜コースからは外れていたが、姫沼方向にコンパスを切って進むと、2時間ほどで自転車道路に突き当たった。

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 舗装道路に出るともう終わりが見え出して嬉しくなってきた。海も静かでなんだか昨日の必死の下山が嘘のように感じる。

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 さらに下って、幹線道路にでるとすぐにバス停があった。時刻表を見るとすぐにバスが来るではないか!迷わずこれに乗った僕らはあっという間にフェリーターミナルに到着。

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 すんなりと8時55分の朝一のフェリーに乗り込み、利尻を離れた。フェリーから見る利尻はやはり美しい。わずか3日間の山行だったが、中身の濃い充実した3日間だった。おそらく来年もまた来る事になるだろう。それだけの魅力がある山、それが利尻!

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